丸亀高等学校竹内元校長の部屋

丸亀高等学校竹内元校長が綴る平成26年度から平成29年度までの学校の様子。丸亀高等学校ならではの行事や学校生活の様子をお伝えしています。集会での校長講話も掲載しています。

2016年07月

 平成28年7月31日(日)
 今日、名古屋市の名鉄グランドホテルにおいて、名古屋丸高同窓会が開催されました。毎年、30人程度の出席であり、親睦を深めました。まずは、4人組の「アンサンブル Ete」によるミニコンサートがあり、総会(挨拶、役員紹介、会計報告など)、写真撮影、懇親会と続きました。ここ名古屋においても、活躍されている本校卒業生がたくさんいます。
 写真は、懇親会における恒例の1人1分間スピーチの様子です。
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 平成28年7月29日(金)
 本日、第64回全国吹奏楽コンクール香川県大会が高松市のレグザムホール大ホールで開催され、本校吹奏楽部は、A部門(55名以下編成)で金賞、C部門(少人数編成)で銅賞を獲得しました。A部門は香川県代表として四国大会への出場権を獲得しました。これで28年連続の四国大会出場となります。生徒たちは持てる力を発揮して、丸高生らしい丁寧な演奏で、聴いている私たちに語りかけてくれました。四国大会に向けてさらなる進化を期待したいと思います。

 平成28年7月28日(木)
 高校生オーストラリアタスマニア派遣は、公益財団法人かがわ海外交流財団が実施する事業であり、昨年度に引き続き、本校から生徒が選ばれました。今日は、派遣団の結団式・壮行会がありました。主催者と来賓の挨拶の後、派遣される5人の高校生(本校生徒を含む。)に辞令が交付されるとともに、1人ずつ抱負を述べました。最後に、派遣される団員全員が「オーストラリア国歌」と「世界で一つだけの花」を英語で合唱しました。
 写真は合唱の様子です。
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 平成28年7月26日(火)
 写真は本校の「夏休みの設計」です。
 最初のページに「生活の記録」があり、教科ごとの学習時間を記録して学級担任に提出するようになっています。その他、夏休みの生活上の留意点、課題、先生方からのアドバイスなどが盛り込まれています。
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 校長の巻頭言は次のとおりです。
              あきらめない生き方
                              校長  竹 内 秀 夫
 平成28年5月24日(水)と25日(木)の両日、埼玉県さいたま市において、平成28年度全国高等学校長協会第69回総会・研究協議会が開催された。文部科学省からの行政説明や校長先生方による特徴ある取り組みの発表などとともに、株式会社植松電機専務取締役植松努氏の講演(演題「「思うは招く」~夢があればなんでもできる~」)を拝聴する機会に恵まれた。
 植松電機という会社は、人口1万人強の北海道赤平市にある従業員17人の小さな町工場であり、もともとは、産業廃棄物からの徐鉄・選鉄作業を行うための電磁石(マグネット)を作るパイオニアであった。ある時、植松努氏が北海道大学大学院の教授と出会ったことがきっかけで、なんと、ロケットや人工衛星を作り、打ち上げるようになった。今では、北海道大学だけでなく、JAXA(宇宙航空研究開発機構)や大手企業と共同研究を行うとともに、日本人初のスペースシャトル搭乗者になった毛利衛氏や日本人女性で初めて宇宙飛行士になった向井千秋氏などとも友好を深めている。また、グリコと提携して、ポッキーやプリッツの模様の入ったロケットも打ち上げたそうである。植松氏の講演では、「あきらめない生き方」について、たくさんの示唆をいただいた。
 「従業員17人の町工場でロケットや人工衛星を作る。」知らない人が聞いたらどう思うであろうか。ほとんどの人が「そんなのは無理」と考えるのではないか。植松氏は、「どうせ無理」という言葉は可能性を奪う言葉であり、絶対に使ってはならないと戒める。「どうせ無理」と考えずに、「世界初のことをやろう。」と挑戦した結果、現在があるということである。
 彼の考え方と経験から導き出せる重要な点を整理すると、次のようになると考えている。
(1) 何事であっても「どうせ無理」を排除して、絶対にあきらめないこと。
(2) 世界初のことをやるのであるから、誰も教えてくれないこと。言い換えれば、最初から最後まで、自分で考えて自分で試さなければならないということ。実際、ロケットや人工衛星を打ち上げるとき、従業員は、これまで経験したことがないことばかりであることから、全員、「自分の担当箇所が原因で失敗したらどうしよう。」と心配して顔が青くなり、吐きそうになるそうである。
(3) 「失敗したらどうするの!」と言ってやらないのではなく、「失敗したときにどうすればよいか考える。」こと。
 もうすぐ夏休みを迎える生徒の皆さん、「どうせ無理」とあきらめていることはないだろうか。自由に活用できる時間を使って、あきらめていることにチャレンジしてみてはどうか。例えば、「この問題集は難しすぎて私にはどうせ無理」と突き放すのではなく、「この難しい問題集を解くにはどうすればよいか。」を考える。そうすると、例えば「教科書に戻って時間をかけて徹底的に基礎・基本を固めた上で、先生に質問に行こう。」となるかもしれない。そうなれば道は開ける。
 また、「この大学のこの学部が魅力あるけど私の実力ではどうせ無理」とあきらめるのではなく、「入試を突破するためにはどうすればよいか。」を考える。常に前向きに、ポジティブに生きたいものである。
 さらに、植松氏は、ロボットや人工知能(AI)の発達を取り上げ、「人が仕事を奪われて不要になる時代が来るかもしれない。しかし、ロボットには夢は語れない。」と話していた。これから必要になる人材は、「夢を語る人」「考える人」というわけである。そのためには、独善に陥らないよう、様々な生き方や考え方を学ぶことが大切であり、この学びの近道が、読書であることを付け加えておく。

 平成28年7月24日(日)
 写真は、本校の「進路の手引き」です。
 それぞれの学年に合った内容になっており、1年生は高校の学習に慣れるとともに、大学の学部・学科の内容や将来を考える手立てとして、2年生は具体的な進路を決定するとともに、受験に向けた学習を確立するための資料として、また、3年生は大学受験に向けた知識を得るとともに、合格に向けて進むための道標として、十分に活用して欲しいと思います。
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 次の文章は、「進路の手引き」の冒頭に書いた私の言葉です。
                丸高生へ伝えたいこと
                             校長  竹 内 秀 夫
 昨年度の創立記念講演会は、香川大学病院教授医学部附属病院手術部部長の臼杵尚志先生をお招きして、ドラマ「サマーレスキュー」のモデルになったことを含め、「支えられること、そして支えること~山岳診療の体験より~」と題した講演をしていただいた。その中で、先生の高校時代に触れる箇所があり、「「一浪」と書いて「ひとなみ」と読む。」旨の話があった。私も高校時代の担任の先生から同様の話を聴いた記憶がある。
 このことに関連して、皆さんに伝えたいことの一つは、高い志望を持ち続け、第1希望の合格を必ず勝ち取って欲しいということである。安易に妥協して第2希望へ進学すると、後悔して学業に身が入らなかったり、就職の際に大きな影響が出たりする場合がある。現在、大学を卒業して就職した者のうち、3割が3年以内にその仕事を辞めてしまうという現実がある。この原因の一つに、進学先の大学が第1希望でなかった結果、やりたい研究ができないことに加え、意欲をもって取り組めなかったことで、不本意な就職につながってしまったことが考えられる。仕事を辞めると、再就職までには、多大な時間と労力を費やすこととなり、大きなデメリットを被る。そうならないためにも、今、高い志望を持ち続けることが大切であり、その志望校に合格するために粘り強く取り組む姿勢が求められている。そのためには、1年くらい浪人しても何の問題もないし、将来的にデメリットにもならない(履歴書に書いても何の問題もない。)。「「一浪」と書いて「ひとなみ」と読む。」とは、この意味で使われていると考えても良いのではないだろうか。従って、現役のときに第1希望の大学に合格しなかった場合、第2希望で満足することなく、浪人してでも再度チャレンジして欲しいと考えている。
 断っておくが、決して浪人を勧めているわけではない。現役で第1希望の合格を勝ち取って欲しいのは当然である。現役時代に行きたい大学・学部があるが合格できなかった場合、安易に妥協して欲しくないということを申し上げているのである。補習科には難関国公立大学を目指している者が多く、開講式において「浪人したからと言って落ち込むことは全くない。むしろ、第1希望に向かって努力を継続するのだから、現役で第2希望に進学した生徒より高い志望を持っている。堂々と胸を張れ。」と激励したところである。
 もう一つは、受験は全国との勝負ということである。言い換えれば、例えば、定期試験などのクラス順位が悪くてもネガティブにならずに、努力を継続することに重点を置いて欲しいということである。40人のクラスであれば、必ず40番という順位が付く生徒がいる。40人中40番とは、中学校時代にはとったことのない順位であり、特に、1年生はショックを受けるかもしれない。しかし、それは丸亀高校の中での順位であり、全国的に見ると、本校全体は相当高い位置にいる。40人中40番の生徒であっても、国公立大学に合格できる実力を持っているにもかかわらず、落ち込んでやる気を無くしてしまうと本当に伸びなくなる。従って、クラス順位で一喜一憂する必要はないのである。
 このことについても、クラス順位を無視せよと言っているのではない。定期試験が悪ければ、基礎・基本ができていないということで反省しなければならないし、欠点をとると単位認定にもかかわってくる。ただし、悪い順位をとってもそれはあくまで本校内でのこと。私はよく生徒に「元気か!」と声をかけるが、その意図は、あくまでポジティブに、前向きに学習し、生活して欲しいという願いからの言葉である。
 最後に、志望校を悩んだり、落ち込みそうになったりしたときには、必ず、本校の先生方に相談して欲しい。先生方は、親身になって考えるとともに、これまでの経験を生かして、皆さんをより良い方向に導くであろう。

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